バルサミコ酢って何ですか⁇

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バルサミコ酢って何ですか⁇

「バルサミコ酢って何でしたっけ⁇」

飲食店で働いていて何度も聞かれる質問のひとつ。

「ブドウで作ったお酢なんですけど、ブドウを搾ったら煮詰めて樽で熟成させるんです」

こんな感じで返答していたけど、ふと思う。

それって何がいいの⁇

せっかく興味を持って質問してくれたお客さんだってきっと「あ、そっかぁ」くらいにしか思わない。

自分がここに居る価値って何なんだと考えてみる。

優雅なサービスができるわけでもなく、人を楽しませるようなユーモアや機知に富むわけでもない。

こんな時に助けてくれるのがイタリア料理の頼りになるところ。

料理や食材1つ1つが何かしらのストーリーを持っている。

ホントに⁇みたいな言い伝えも数多くあるけど、つまらない本当のことより突っこみどころ満載のウソみたいな話の方が場を和ませてくれることもあるしね。

バルサミコ酢のポイントは2つ

  • 驚くような手間と長い熟成期間を経て作られていること
  • 貴族と共に発展してきた歴史があること

DOPの熟成規定とかを話し出すと教科書みたくなるから、ひとまず引き出しの奥の方にしまっておく。

「ものにもよるけど、伝統的なものだと10年とか20年、100年とか200年熟成させるものもあって」

「(上に穴をあけた)樽の中で蒸発するから熟成する程どんどん量が減っていく」

「その間、栗や樫、桑とか色んな樽に移し替えられて」

「どんどん複雑な香りがついてとろとろになっていく」

すごいのは何百万とかするらしいですよー、うちのは何年熟成ですけどそれでも手間暇かかってる!

「もともとはエミリア・ロマーニャ州のモデナっていう街の貴族だけが作っていて貴族の中でも最高級の贈り物だったとか」

「イタリア全土に広まったのはイタリア統一の頃らしいから19世紀に入ってからのこと」

「だから伝統的なバルサミコ酢っていうのはモデナ周辺で作られているものだけらしいです」

ちなみに、うちのはモデナ産なんですよ!

ネタはこの位ストックしておいて…。

ワインに興味のありそうなテーブルにはブドウ品種を伝えたら盛り上がってもらえるだろうか。

大抵はランブルスコ種やトレッビアーノ種。アルバーナ種などなど。

ランブルスコを召し上がってるお客さんの次のお皿にバルサミコ酢を垂らしてみたら会話のきっかけになるかもしれない。

とは言っても、食材の細かいネタって興味がなければ食事の邪魔になることもあるから

「バルサミコ酢って何でしたっけ⁇」

次に聞かれたときには

「ブドウ酢なんですけど、とっても手間暇かかってる、イタリア特製のやつなんですよ」

こんな感じの返答で、相手の反応を見てみることにする。

「どんな⁇」って聞いて欲しいな、と思いながら。

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