アランチーニとは?~ シチリアに2種類ある「小さなオレンジ」~

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アランチーニとは?

そういえば、学生の頃に人気があったイタリア料理のチェーン店にライスコロッケっていうメニューがあった。

数年後、個人経営のイタリア料理店でシェフが作っているのを見たのが2回目。

これがシチリアでド定番のお惣菜だと知ったのはもっと後のこと。

アランチーノ

グリーンピース入りのミートソースをまぜたリゾットを円錐型または球形に成形し、パン粉をまぶして揚げたもの。中にモッツァレッラを包んだものもある。複数形はアランチーニ。

『イタリア料理検定教本 2019年度版』料理出版

アランチーニ?アランチーノ? アランチーナ?

辞典とか、料理書とか、ある本では「アランチーノ 」。別の本では「アランチーニ」。

さらに現地では「アランチーナ 」とかって呼ばれ方も…。

この違いが何かっていうと

  • アランチーナ → 女性複数形名詞
  • アランチーノ → 男性単数形名詞
  • アランチーニ → 男性複数形名詞

日本ではなぜかアランチーノの複数形のアランチーニって呼ばれることが多いけど

本場シチリアでは「アランチーナ 」か「 アランチーノ」。

シチリアの西側ではアランチーナ

東側ではアランチーノって呼ばれていて

西側と東側では形も違う。

アランチーニ?アランチーノ?アランチーナ?

西側のアランチーナ photo by chomjong

西側のアランチーナは、州都のパレルモで作られているのものが有名で、形で中の具材が分かるようになってる。

  • 球形 → 【 alla carne アッラ カルネ】 肉のラグー、グリーンピース
  • 俵型 → 【al burro アル ブッロ】 チーズ、ハム、バター
アランチーニとは?

東側のアランチーノ photo by Andrea Tartaglia

東側のアランチーノは、カターニアが有名で円錐型。

これは、ヨーロッパ最大の活火山で世界遺産でもある「エトナ山」の形らしい。

言われてみれば⁇

名前の由来は「小さなオレンジ」みたいな見た目からで

  • 「オレンジ」はイタリア語で「 Arancia アランチャ」(女性形名詞)だから「小さなオレンジ」は「アランチーナArancina」(女性形名詞)

なのかと思いきや

  • シチリアの東側では「オレンジ」のことを「 アランチゥ Aranciu」(男性形名詞)と呼んでいて「小さなオレンジ」アランチーノArancino」(男性形名詞)

ってなったらしくて、どっちが正しいかっていうと、どっちも正しいわけで決着がつかない。

でも、そんなことはどうでも良くて、呼び方で形が違うってことが大事。

丸いのが「アランチーナ」。とがってるのが「アランチーノ」。

アランチーニのポイントと発祥

アランチーニのポイント

  1. 具材は、肉のラグーとグリーンピース入りの「アッラ カルネ」と、チーズとハムとバターが入った「アル ブッロ」が定番。他にもポルチーニ茸やホウレン草入りのバリエーション。
  2. 米は、サフラン入りの米やサフランリゾットを使う。
  3. サラサラの細かいパン粉を使って「オレンジ色になるまで」揚げる
  4. 大きさは、現地の惣菜屋さんでは野球ボール大の大きなサイズのものが多いけど、レストランでは小ぶりなサイズも。

シチリアではボリューミーなことが多いけど、ナポリではピンポン玉くらいの大きさで

「アランチーニ・ディ・リゾ = お米の小さなオレンジ」とか

「パッレ・ディ・リゾ = お米の団子」とか呼ばれてる。

アランチーニとは?

定番の具材「アッラ カルネ」と「アル ブッロ」

アランチーニの発祥

シチリアは9世紀から11世紀ごろにはアラブ人に支配されていて、アラブ人によってオレンジとかレモンみないな柑橘系の果物や米が伝えられた。

もともとはアラブ人がサフランで炊いた米で作ったおにぎりを持ち歩いていて、小さなオレンジみたいだったから「アランチーノ」と呼ばれるようになったっていう説が一般的で

それが徐々に今の形に近付きながらシチリア中に広まって

米の栽培が広まってからはロスティッチェーリア(惣菜店)でも売られるようになって、やがてナポリやローマにも進出。

シチリアのシンボルみたいな食材はアラブから伝わったものが多い様子。

スップリとの違い

スップリの特徴とアランチーニとの違い

イタリアのライスコロッケと言って思いつくのは、アランチーニ?それとも、スップリ?

スップリは州都のローマがあるラツィオ州のライスコロッケ。

アランチーニとの違いは、モッツァレッラチーズ。

スップリ アッラ ロマーナ Suppli alla romana

お米のコロッケ。Suppli al telefono スップリ アル テレフォノ ともいい、二つに割ると、中に詰めたモッツァレッラが電話線のように糸をひくことから名がついた。仔牛肉、レバー、アンチョビを加えて詰めることもある。

『イタリア料理検定教本 2019年度版』料理出版

アランチーニと違う、スップリの特徴は…

  • ローマ発祥
  • 俵型
  • モツァレッラチーズが入る
  • ライスは白米かトマト入り(サフランが入らない)
  • 別名「スップリ アル テレフォノ」

アランチーニの故郷はシチリア

スップリの故郷はローマ。ラツィオ州の州都。

アランチーニの具材は肉のラグーとグリーンピースの「アッラ カルネ」と

チーズ、ハム、バターの「アル ブッロ」が定番で、サフランライスを使う。

スップリはモツァレッラチーズが入って、ライスにサフランが入らない。

アランチーニは球形、俵形、しずく形。

スップリは俵形。

スップリの名前の由来

スップリは、正式には「スップリ アル テレフォノ」

「テレフォノ」はイタリア語で電話のこと。

スップリを割ったときに、中から伸びるモツァレッラチーズが電話線とか、糸電話に見えたことから。

今は「アル テレフォノ」が省略されて「スップリ」って呼ばれることが多いみたいだけど

じゃあ「スップリ」はどういう意味かっていうと、そんなモツァレッラチーズの様子に

びっくりした!「surprise!シュルプリーズ」っていうフランス語が「スップリ」に聞こえたとか、イタリア訛りに変化したっていうのが有名な説。

シュルプリーズがフランスの料理人の中で「きつね色の揚げ物」っていう意味だっていう話もあるみたいだけど、諸説ありということで…。

とにかく、スップリの特徴はモツァレッラチーズが入ること。

まとめ 

  • アランチーニは、シチリアの西側では「アランチーノ」と呼ばれる。形は球形、俵形。
  • シチリアの東側では「アランチーナ」と呼ばれる。形は円錐形(エトナ火山の形)。
  • 定番の具材は「アッラ カルネ」と「アル ブッロ」。
  • サフランライスを使う。
  • スップリはローマのライスコロッケ。サフランは使わず、モツァレッラチーズが入る。

そういえば、日本でアランチーノっていうと、ハワイの有名イタリアンレストランを想像する人が多いみたい。→ レストラン arancino

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