コンフェッティとは?~イタリアのお菓子に託された気持ち~

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コンフェッティとは?

結婚式の延期とか、中止のはなしが聞こえてくる。

なんかツラい。結婚式とか、ウエディングって、聞くだけで幸せになるような単語のはずなのに…。

2人のためだけじゃない。まわりの人たちへ感謝の気持ちを伝えるために、ずっと準備してきたんだから。

日にちは変わっても、いつか式を挙げるその日を最高の1日にできるように。

プチギフトにも思いを込めて。

 

結婚式で帰りに配る「プチギフト」って、なんのため?

だって、これ以上ないくらい大きな引き出物の袋があるのに、なんでなんだ?

あ、そうか。ゲストを見送るために何もないと手持ちぶさたっていう、そういう日本人的な発想?

いいや、実は、イタリアでは古代から続く伝統行事だったらしい。

ウエディングのお菓子「コンフェッティ」

「コンフェッティ confetti」って、アーモンドを砂糖でコーティングしたお菓子。

色んな色があって、色んな味があって、中には、アーモンドの代わりにヘーゼルナッツとか、ピスタチオとか、チョコレートが入ってるのもあって、おいしいし可愛い。女子ウケ間違いなし。

日本ではフランス語の「ドラジェ gragee」のほうが有名かも。でも、これはイタリア発祥のお菓子。

イタリアの結婚式ではたくさん用意されて、ゲストに配られる。他にも、色んな記念日にコンフェッティは欠かせない。

なぜかっていうと、コンフェッティには色んな意味が込められているから。

コンフェッティの色と数が持つ意味

コンフェッティの色と数が持つ意味

カラフルなコンフェッティ photo by Dinosaur918

カラフルで可愛いコンフェッティだけど、その時々によって色が使い分けられてる。

そして、このお菓子はホストがゲストに配るもの。

結婚式で配られるのは白!純白の花嫁さんの色だから、これは納得。

白いコンフェッティを5粒配るのが伝統的で…

  • 幸福
  • 健康
  • 子孫繁栄
  • 長寿

こんな感じで、1粒1粒に意味がある。

「結婚する2人のこれからが幸せな人生になりますように」っていう願いと、ゲストへの感謝の気持ちを込めたささやかな贈り物。

「今日という、特別な日に来てくれてありがとう」「今日を、特別な日にしてくれてありがとう」

っていう気持ちを込めて、2人の幸せをおすそわけ。

日本人的な発想だと、紅白で2粒入れるとおめでたい気がするんだけど、偶数は2人が離れてしまうかもしれないから不吉なんだって。なるほどね。

結婚式以外でも、コンフェッティには大事な役割がある。

赤ちゃんが生まれたときの洗礼式のパーティーでは、男の子だと青色のコンフェッティ、女の子だとピンク色のコンフェッティを集まった人たちに配る。

大学を卒業するときには赤色のコンフェッティ。今後の活躍を期待する色なんだって。

婚約したら緑色のコンフェッティ。これは、希望を象徴する色。

銀婚式には銀色のコンフェッティ。これは、そのまんま。

金婚式には金色のコンフェッティ。これも、そのまんま。

誕生日は色とりどりのコンフェッティでカラフルに演出。

個数は目的によってちがうけど、必ず奇数で用意する。

「幸運を祈る!」っていう気持ちを運んでくれるお菓子。いい習慣だな。

起源は古代ローマ時代

コンフェッティが砂糖でコーティングされるようになったのは、ヨーロッパに砂糖が伝わってから。

それまでは、アーモンドを蜂蜜でコーティングしたお菓子だったそう。

おどろくのは、すでに紀元前に存在していたことで、古代ローマ時代の料理本として有名な『アピシウスの料理書』にも書かれてる。

コンフェッティが誕生したのは、紀元前177年の古代ローマのファビウス家っていう貴族の家。

そこの料理人がアーモンドをうっかり!蜂蜜のなかに落としてしまった!っていうのが始まり。

そのお菓子を気に入ったファビウス家では、子供が生まれたときや、親族が結婚したときに、喜びの印としてお祝いにかけつけた市民にコンフェッティを配るようになった、というわけ。

これって、今の使い方とおんなじ。つまり、古代ローマ時代からコンフェッティはお祝いのときに使われてたってことか。

ちなみに、このうっかり者の料理人の名前はジュリアス・ドラジェ。フランスでコンフェッティがドラジェって呼ばれているのは、この人の名前からとったっていう説が有力。

そして、イタリアでコンフェッティって呼ばれているのは、ラテン語で「甘いもの」とか「おいしいもの」っていう意味の「tregemata」が語源っていう説が有力なんだって。

それからは、お金持ちの貴族とか教皇が、お祝いのときのお菓子として蜂蜜がけのアーモンドを使うようになって、インドから砂糖が伝わると、やがて蜂蜜から砂糖のコーティングへと変化。

大切なお祝いのときに、貴重で高級な砂糖を使いたかったんだとか。

コンフェッティが庶民の手に入るようになるのはもう少し先のはなし。

スルモーナのコンフェッティ

スルモーナのコンフェッティ

花束のようなコンフェッティ

スルモーナのコンフェッティ

麦の形のコンフェッティ photo by Ra Boe

 

 

 

 

 

 

イタリアで砂糖が広まったのは、十字軍 が東方から砂糖を持ち帰ってからしばらくたった、15世紀頃のこと。

(※十字軍 → 11世紀~13世紀に、聖地エルサレムを手に入れるために中東に派遣された遠征軍)

その砂糖を使ってコンフェッティ作りをはじめたのが、アブルッツオ州のスルモーナ Sulmona という小さな町の修道女たち。

アーモンドを砂糖でコーティングしたコンフェッティを、絹の糸を使って、花束とかブドウとか、麦のかたちに作って、結婚する貴族の女性に贈るようになった。

それが評判になって、この町ではコンフェッティが伝統品に。

今では「スルモーナのコンフェッティ」っていうと、誰もがその価値を認めるくらい有名。

色とりどりのコンフェッティの店が並ぶスルモーナの商店街は、メルヘンの国に入りこんだみたいで、とってもファンシー。

アーヴォラのアーモンド

スルモーナのコンフェッティ

アーヴォラのアーモンド photo by Gastronomia Slow

コンフェッティの中心にはアーモンド。

アーモンドの木は、ブドウの房のように、たくさん実をつけるから子孫繁栄のシンボルらしい。これも、結婚式に選ばれる理由のひとつ。

スルモーナのコンフェッティに欠かせないのが、シチリア島の南東にあるアーヴォラ avola 名産のアーモンド。

アーヴォラのアーモンドは上質で、アーモンドのステイタスとして有名。

苦みがなくて強い風味がある、国内でいちばん愛されているアーモンドの1つなんだって。

伝統だけじゃなくて味にもこだわるなら、アーヴォラのアーモンドがまん中に入った、スルモーナのコンフェッティで決まり。

コンフェッティを飾るボンボニエーラ

幸せを運ぶコンフェッティ。そんな小さなお菓子を包む装飾にも気持ちがこもる。

コンフェッティの入れ物は「ボンボニエーラ bomboniera」って呼ばれていて、陶器やら銀やら、宝石つきの箱やら袋やらっていう具合に、華やかで凝ったものがたくさん。

うすい布を使うこともあって、パーティーの最後に花嫁がベールを切ってコンフェッティを包んだことに由来しているとか。ロマンチックなはなし。

大切な日のことをずっといい思い出として残すために、コンフェッティとセットで贈るそう。

紙ふぶきとしてのコンフェッティ

紙ふぶきとしてのコンフェッティ

「コンフェッティ」っていうと、日本ではパーティーのときにパーッと振りまく、カラフルな紙ふぶきの名前のほうが有名。

それもそのはず、イタリア以外の国ではコンフェッティっていうと紙ふぶきのこと。

パレードとかカーニバルを盛り上げるために大事なアイテム。でも、なんでイタリアではお菓子の名前なんだ?

それはずばり、お菓子のコンフェッティが紙ふぶきのコンフェッティにとって代わられたから。

イタリアでは、結婚式でも、パレードでも、お菓子のほうのコンフェッティを振りまいていて、それは確かに色あざやかでキレイだし「食べ物に困らずに豊かに暮らせるように」っていうライスシャワー的な役割もあったんだけど…

そりゃあ、痛いでしょう。パレードでは仮装じゃなくて、顔を守るための防護マスクが必要になっちゃって「コンフェッティ・ファイト」とか呼ばれるケンカもあちこちで起こる。しかも、コンフェッティがもったいない!

というわけで、1875年からは代わりに紙ふぶきを使うようになったんだって。

でも、コンフェッティはお祝いのシンボルだったから、外国には「紙ふぶき=コンフェッティ」として伝わったそうな。

ちなみに、イタリア語で紙ふぶきは「コリアンドリ coriandoli」。

幸せを運ぶお菓子をコンフェッティと呼ぶか、ドラジェと呼ぶか、それはあなた次第ってやつか。

まとめ

  • コンフェッティは、アーモンドを砂糖でコーティングしたイタリア発祥のお菓子で、結婚式のプチギフトの定番。
  • 結婚式には「ボンボニエーラ」と呼ばれる入れ物のなかに白いコンフェッティを5粒入れて贈る。5粒の意味は「幸福」「健康」「子孫繁栄」「富」「長寿」
  • アブルッツオ州の「スルモーナのコンフェッティ」は歴史的にも、美味しさでも有名。
  • 紙ふぶきという意味のコンフェッティは、お菓子のコンフェッティを投げていた歴史から。

「あきらめぬ強さがあれば、幸運は必ず訪れる」

 ミヒャエル・エンデ

もうすこし、頑張ろう。

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