2つのフリーコ

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2つのフリーコ

同じ名前に2つの料理。

しかも、シンプルなだけに作る人のアレンジが加わって、捉えどころが無い。

分かっているのは最高に素朴な山の家庭料理だということ。

「フリーコ Frico」は北イタリアにあるフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の郷土料理。

もともとは残ったチーズを活用するために生まれたらしい。

  • フリーコ・クロッカンテ Frico croccante
  • フリーコ・モルビド Frico morbido

の2種類のフリーコがあって、フリーコ・クロッカンテはバターを溶かしたフライパンにチーズをすりおろしてカリカリに焼く。

固まったら出来上がり。いわゆるチーズチップス。

裏返した容器の上で冷ましたらカリカリチーズのお皿に変身。

チーズのお皿の上に具材をのせると調味料としての役割に加えて見た目も華やか。一石二鳥。

2つのフリーコ

フリーコ・クロッカンテ

フリーコ・モルビドはまさに山の素材のいいとこ取り。

刻んだ玉ねぎとじゃがいも、すりおろしたチーズを混ぜて茶色く焼き色がつくまで焼き上げる。

じゃがいもはマッシュ状にしてもいいし、スライスしたり、さいの目に切って加えてもいい。

そういえば、以前シェフが教えてくれた。

食材をあえてきっちり同じ大きさに切り揃えないことで色々な食感が楽しめる。

その方が食べていて楽しいこともあるんだ。

そんな考え方が好きで、サイズが違う具材を発見するとわくわくする。

話をフリーコに戻すと、2つのフリーコは北イタリアの山のふもとのシンプルな家庭料理。

今、家にある材料で作ってもきっと美味しくできるけど、現地の人たちのこだわりは地元のチーズ「モンタージオ Montasio」を使うこと。

モンタージオはフリウリの人たちの生活に欠かせない。

「2カ月熟成でもフレッシュタイプ」がキーワードの長期熟成チーズ。

標高3000メートル近くあるモンタージオ山で放牧された牛のミルクから作られるチーズはミルキーで塩味がありつつ甘味もあって、山のチーズ特有の牧草の香りがするんだとか。

もともと厳しい山の生活の中でモンタージオの残りを使いきるために生まれたフリーコ。

同じチーズで作ると一気に本場の味に近づけそう。

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の郷土料理と言えば、真っ先に思いつくのがフリーコ。

これはもしかしたらモンタージオの名産地だからなのかも。

2つのフリーコ

photo by Petar43

【Montasio モンタージオ】

生産地:フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州全域とヴェネト州の1部

タイプ:セミハード

原料乳:牛乳

熟成期間

  • フレスコ 2~5カ月 (フレスコ=新鮮な)
  • メッツァーノ5~10カ月 (メッツァーノ=中間の)
  • スタジョナート 10~18カ月 (スタジョナート=熟成した)
  • ストラヴェッキオ 18カ月~ (ストラヴェッキオ=非常に熟成した)

熟成期間が長いほど水分が抜けて硬くなり、風味、旨味がのる。

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