ディアボラチキンは日本料理⁇

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ディアボラチキンは日本料理⁇

料理人のこだわりが好きで、お皿に込めたひと工夫の話を得意げにされた日にはその皿をサービスするのが楽しくなる。

アラビアータにベーコンとブロッコリー。ミートソースの上に季節野菜がどかっ!と乗るのを珍しそうに眺めていたら「俺が作るパスタには必ず具材が入るんだ」と、シェフがひと言。

具沢山のパスタにお客さんが喜んでる。だから「ザ・イタリアの郷土料理」にとらわれるなんてこの場においては意味のないこと。と思いつつ、とある日の出来事が頭をよぎる。

レストランの厨房にスタッフが集まっている。

どうしたのかと覗いてみると、お客さんから料理のリクエストを受けてきたはいいけどその解釈をめぐって議論がくり広げられている様子。

問題の料理は「ポッロ・アッラ・ディアボラ=鶏の悪魔風」。

悪魔風の名前の由来は大きく2つあって

  • 鶏一羽を平らに広げて羽を開いた姿がマントを広げた悪魔の姿に似ているから
  • 唐辛子を使った辛い味付けで、食べた人に火がついたようになるから

平らに広げた鶏肉を上から重りや鍋蓋でぎゅーっと押さえつけて焼くから均一にパリッと火が通る。

だからカリカリに焼いた鶏料理を指す、という解釈が1つ。

もう1つの解釈は、イタリア料理の父「アルトゥージ」のレシピに書いてある。

「食べると口のなかが燃えるようになり、鶏も料理人も地獄に落ちてしまえと言いたくなる」ほど辛味をつけた鶏料理を指す、というもの。

結果、唐辛子やスパイスを使わないマイルドな味わいのディアボラもあれば、鶏肉を平らに潰すことなく辛い味付けをするディアボラもある。

更に事態をややこしくしているのは、「ディアボラチキン」という知名度の高いメニューの存在。

これは私たち庶民の味方「サイゼリヤ」の提供している料理。

サイゼリヤのディアボラチキンに辛味はなく、独自の野菜ソースが乗っている。これがとても人気なんだとか。

さて、お客さんが食べたかったのはどんな悪魔風なのか。

色んな解釈ができるのが料理の面白いところ。色んなお店に食べに行って、自分でも勉強して、お客さんとコミュニケーションをとって、料理の提案をして、そこに料理人のこだわりを乗っけてもらう…。

そんな目標に到達しないといけない、そう思った、とある日の出来事。

 

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